2016/10/11

第12回アイン朝市

10月8日(土)のアイン朝市、7時のオープンと同時にたくさんの方がお越しくださいました。「神戸新聞の記事見たよ」と声をかけてくださった方もいて、地元紙の発信力・影響力ってすごいものだなあと実感。記事を書いてくださった神戸新聞の辻本さん、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました!


実はこの日の開店準備中に、一部の荷物を積み込んでいた車が動かせないというアクシデントが発生し、危うくコーヒーワークショップや雑貨の販売ができなくなるところだったんです。その時頭をよぎったのは、がっかりするお客さんたちの顔。

刻々と開店時間が迫る中、「早起きして来てくれたお客さんに笑顔で帰っていただくにはどうしたらいいだろう?」と必死で考えながら品出ししていると、待ちかねたお客さんが次々といらっしゃいました。



「丹波栗があるって聞いたから買いにきてん」と、笑顔で話しかけてくれるお客さんたちを目の前にすると、あら不思議。焦りでひきつっていた顔がほころび、良い意味で開き直る気持ちがわいてきました。

準備が間に合わなかったことを嘆き悲しんでも仕方がない。栗を大切に育ててこの朝市に卸してくださった、丹波市氷上町中野地区のみなさんのことをしっかり伝えなきゃ!その一心で接客し続けること1時間。

なんとか問題が解決でき、遅れながらも8時からコーヒーワークショップを開催することができました。お待たせしてしまったみなさん、本当にごめんなさいね。


朝市初となるコーヒーワークショップは、自分で豆を選んで挽いて、その場で味わえるというもの。しかも「KINTO」のマグカップ付きです。

この日出店していたCAFE MEME(カフェ メメ)さんは、手作りマフィンやシフォンケーキが大人気で早々と完売。おもいがけず時間ができたので、お仕事の後の一杯を楽しもうと、ワークショップに参加してくれました。


MEMEさんのブースでは、今回初めて新作「キャラメルパンプキン」が登場。「買いたいなー」と思っていたらあっという間に売り切れでした。購入できた方、ラッキーでしたね。


毎回朝市を盛り上げてくれるラ・プロヴァンスさんも、「マロンクロワッサン」や「エビス南京のポタージュ」など、秋らしいメニューが登場していましたよ。



青果ブースでは、稲美町の朝採りイチジクの販売も行いました。季節が秋へと移り変わり、実がだいぶ小さくなってきていますが、おいしさは変わらず。しかも、実がついてからは一度も農薬を使っていないので、皮ごと安心して食べられます。



このイチジク、私が朝5時半から農家さんと一緒に収穫しています。蚊に刺されやすいたちなので、全身に虫除けスプレーをふって行ったんですが、今回はなんとまぶたの上を刺された~!蚊の方が一枚上手(うわて)ですね。イチジクの販売は今週、もしくは来週くらいまでかなあ。



おかげさまで、今回はバタバタとしている間に野菜や果物がたくさん売れてしまい、写真がほとんど撮影できておりません。唯一撮れた中から、「これは珍しいね~!」とお客さんに喜んでいただけた品をご紹介します。

「生って食べたことないわ」と手に取る方が多かった、神戸市西区の果樹園「甘果園」のプルーン。私も今年初めて「プルーンって生で食べられるんや」と知りました。30数年生きていますが、まだまだ知らんことだらけ。青果の仕入れをしていると、発見の連続です。



同じく甘果園さんからは、「干し柿セット」も仕入れてみました。西条柿と紐、そして私が手書きした「作り方」の紙がセットになっているので、家に帰ってすぐに干し柿を作ることができるんですよ。

数カ月前、私に農業のいろはを懇切丁寧に教えてくださった方から、アイン果樹園の柿で作った干し柿をいただいたことがあるんですが、「今まで私が食べていた干し柿って一体何やったんや!偽者か?」と思うほど、それはそれは衝撃的なおいしさだったんです。

あんな風に上手に作れたらいいなという希望を抱きつつ、私も今年、初挑戦してみたいと思っています。



テントの下は終始大盛況。手前味噌ですが、家族、友人同士、カップル、おひとりさまなど、老若男女が朝早くから立ち寄れる場所があるっていいもんやなあと、改めて実感しました。そうそう、アイン朝市での偶然の再会って結構多いようですよ。よく感激の声をあげて再会を喜びあうお客さんの姿を目にします。


何度も書いていますが、私は本当は早起きが苦手だし、基本的に休日の朝はゆっくり寝たい派。だからこそ、土曜の朝からこんなにたくさんの方が来てくださることに、毎回感動を覚えてしまいます。

私みたいに「早起きはちょっとなー」という方がおもわず行きたくなるような場所を作るにはどうしたらいいか?スタッフみんなで話しあいながら、少しずつ工夫を重ねる日々です。


ブログを書いている今日、この秋初めて長袖の服を来ました。季節は少しずつ移り変わっていますねえ。

種から芽が出て、花が散ったら実がついて。収穫の時を迎えた後は静かに枯れて、また土に戻っていく…。1年を通して農作物の様子を観察していると、作物の一生は人間の一生と似ているなあと感じずにはいられません。

▲昨年9月、京都の綾部で初めて稲刈り体験をした時の様子。加古川市内では10月に入り、ようやく稲刈りが始まりました

私事で恐縮ですが、つい最近、熊本県の天草に住んでいた祖母が、枯れるように安らかに天国へ旅立ってゆきました。87歳、老衰でした。

亡くなる2週間前、入院先の病院で、車椅子に乗ったまま上半身を目一杯動かしてフラダンスを披露したという祖母。40年祖母に付き添ってくれたおばさん(母の兄の妻)が、「お母さんは最期まで人を喜ばせて旅立っていきました」と話してくれて、ばーちゃんらしいなあと、なんだか誇らしく思いました。

この朝市ではお客さんに喜んで帰ってもらうことを一番大切にしていますが、なにせ初めての挑戦で、悩むことやうまくいかないこともしばしば。でも、祖母の最期を聞いて、その時の自分にできることを惜しみなく発揮したらそれでいいのかもと、ヒントをもらったような気持ちになりました。


熊本県は柑橘類の栽培がさかんなので、昔からよく「みかん」や「パール柑(かん)」などを送ってくれていた祖母。今だから激白しますが、1人暮らしをしていた学生時代は、みかんが食べきれず、たびたび腐らせてしまったこともある残念な孫でした。ばーちゃん、ごめんよ。

以前ブログにも書いたように、みなさん、会いたい人にはいつかじゃなくて、ぜひとも今会いに行きましょー!「アイン朝市にいつか行ってみたい」、そんなあなたも「今だ」っていうタイミングが来たら、ぜひ遊びに来てくださいね。待ってます。