2016/05/17

トマトの世界へようこそ

前回ご紹介した三木市の「エクステリア風雅舎」さんは、今年でオープン30周年。これを記念し、「育てる」ことについて今一度学び直す機会を作ろうと、5月13~16日の4日間、「育てる」プロを招いた講演会が開かれました。


私がお伺いしたのは1日目。『菜園で育てるプレミアムトマト 種まきからお皿まで』と題した、トマトについての講演を聞かせていただきました。

ゲストは、北海道樺戸郡月形町で苗の生産直売店「コテージガーデン」を運営する梅木あゆみさん。同店では、60品種以上のトマト苗を生産・販売し、毎年8月末にはなんと150種以上のトマトの試食が楽しめるトマト祭りを開催しているのだそうです。写真をお見せできないのが残念ですが、150種のトマトがずらりと並んだ光景は圧巻でしたよ。

さて、せっかく教わったトマトのお話。ひとり占めするのはもったいないので、こちらに書いてシェアしていきたいと思います。では早速参ります。これを読めば、あなたもトマト博士になれるかも?!

------------------------------------

【トマトの豆知識】 ※講演メモを元に作成しています

★トマトの学名は「オオカミが食べる桃」。イタリアでは「黄金のリンゴ」、フランスでは「愛のリンゴ」、日本では「唐柿」などと呼ばれていた。日本には18世紀頃に伝わったと言われている。

★昼夜の気温差が10度以上になると甘くなる。北海道では9月頃のトマトが一番おいしい。

★トマトの品種は8千~1万種あると言われるが、日本で育てられているのは約300種ほど。

★トマトの生産量は、1位中国、2位アメリカ、3位インド。日本は9位で約60万トン。

★1人あたりの年間消費量1位はエジプト。

★トマトの種には一代交配の「F1」と、自家採種できる「エアルーム」の2種類ある。

★日本で生食用として流通しているのは「ピンク系トマト」。ヨーロッパなど海外で主流の「赤系トマト」は、日本では加工用として使用されている

★「フルーツトマト」とは品種名ではなく、糖度8~14度のトマトのことを指す。ちなみに普通のトマトは4~6度、スイカは11から13度、イチゴは8~10度


【トマトを育てるポイント】

★南米のアンデス山脈高原地帯が原産と言われているトマトは、「太陽の光」と「乾燥」を好む。そのため、畝は高畝にした方がよい。

★苗はしっかりとしたもの、花芽がついたものを選ぶ。

★苗は一度水につけてから植える。

★苗を植える時は、土に対して直角ではなく斜めに倒して深植えすると、根がしっかりとはる。

★窒素が多いと実がつきづらい。肥料のバランスに注意が必要。

★脇芽(主枝と葉の間から新たに出てくる芽)をしっかりとっていく。とった脇芽は土に指しておくと、また育って苗ができる。

★トマトは昼間に蓄えた養分で夜間に成長する。

★植えてからは水やりを控える。朝露がつく頃に葉がシャキッとしていれば、水やりしなくても良い。苗の状態にもよるが、「コテージガーデン」では植え付け時の1度だけしか水をやらないものもある。そのように育てたトマトはとても甘くなる傾向。

★雨にも当てない方がよい。長雨になりそうな場合は、プランター栽培なら傘をさす、屋根の下に置くなど工夫を。

------------------------------------

他にも、トマトをたっぷり使ったベジタリアンカレーの作り方(カレーの試食あり)や、保存用トマトペーストのつくり方など伝授してくださいました。一度作ってみようと思っているので、その時にまた、写真付きでご紹介しますね。

▲左から2番目が梅木さん。参加者全員でじゃんけん大会をし、勝ち残った方に手作りのトマトペーストがプレゼントされました

講演の中では、梅木さんが育てているトマト65品種の紹介もありました。農作業を始めるまで、「桃太郎」や「アイコ」くらいしか知らなかった私…。「『ブランディワイン』は世界中にファンがいて、経験したことのないおいしさですよ~」、「『サンゴールド』は世界一甘い というだけあって、フルーツみたいに甘いんです」と、そんなお話を聞いたら、食べてみたくなっちゃうじゃないですかー!

というわけで、この日早速、風雅舎さんでミニトマトの苗を買って帰ることにしました。

エアルーム品種で梅木さん一押しの「ブラックチェリー」と、F1種の「サンゴールド」。今回はプランターではなく、土の袋に植えてみました。このままじゃあんまりなので、麻袋で外側を包んでみようと計画中。教わった通り、苗を斜めに倒してみましたよ。さあ、無事に育ってくれるでしょうか?

きのうは雨が強くなりそうだったので、こんな風に傘もさしてみました。

トマトの植え付け、まだまだ間に合いそうですよ。迷っているなら今が植え時。「食べてみたい!」と思う苗に出合えたら、梅木さんのアドバイスを参考に、ぜひ育ててみてくださいね。