2016/07/19

よしこさんのこと

アイン朝市に2週続けて、よしこさんという女性が手伝いに来てくれていました。

▲第2回アイン朝市の様子。右から3人目がよしこさん

まだ始めたばかりの市場なので、正直なところ人手が多いのは助かるし、アインオープンデパートも何度か手伝ってくれている方だから、私たちスタッフは「ありがたいね~!」と心の底から喜んでおりました。

▲薪割り結社「LUMBER JACKS」のメンバーでもあるよしこさん。第9回アインオープンデパートでは、薪割りワークショップを手伝いに来てくれました

でもね。よしこさんのお家、京都なんです。京都の山科。加古川までは電車で約2時間かかります。しかも加古川駅から乗り換えて日岡駅で下車、そこから約30分かけて市場まで歩いて来るという…。そこまでして無償で手伝いに来てくれるとは、一体どーした?よしこさーん。

「私、事務職やから人と話すことが少なくて。体動かしたり、人と会って話すのが好きやから、来てみたかってん」

そう言って微笑む彼女は、朝市でせっせと試食用のトウモロコシを切っては、お客さんに勧めてくれていました。よしこさんがいてくれたおかげで、私は心に余裕を持ってお客さんと会話ができたし、片づけも早く終えることができたのです。

でも、まさか2週連続来てくれるとは!だってやっぱり遠いよ?京都から加古川。愛しい彼に会いに来る、とかそんなんやったらわかるけど、たった数時間の朝市のためにわざわざ始発で。

「いいの、いいの。朝市めっちゃ楽しいから~」

最後までにこやかな表情で、お昼過ぎまで私たちを手伝ってくれたよしこさんは、疲れた顔一つ見せずに京都へ帰ってゆきました。

「遠い」「朝早い」「交通費がかかる」など、行かない理由になり得る事柄を全部吹き飛ばし、「楽しそうだから行ってみたい。一緒にやってみたい」と思わせてしまう何か。少なくともよしこさんには、その何かが、アイン朝市の中に見出せたということなんでしょうね。

前にこのブログで、「私は早起きが苦手だけれど、朝に楽しいことが待っていると起きられる」ということを書きました。お客さんたちも一緒なのかな。土曜の朝7時にあんなにたくさんの人が、きれいに身支度を整えて市場まで来てくれるなんて。

何を「楽しい」と思うかは人それぞれですが、きっとこの朝市には、早起きしても行きたくなる何かがあるのかもしれない。まだうまく言葉にできないけれど、よしこさんやお客さんを見ていてそう思うのでした。

遠くから来てくれて、本当にありがとう!よしこさん。